2018年9月30日日曜日

後継者に求められる五つの資格

自社に存続可能性があると判断し、
事業を継続すべし、と決断したならば、
後継者を選定することになる。

中小企業は、9割以上が社長で決まる。

そのため、
時間をかけ、ベストな人物を社長の座に据えなければならない。

5つの視点で、
後継者としての資格があるか、
心構えがあるかを判断する。

①創業者と夢を共有できるか

この仕事が心底好きだと思えなければ、
企業経営の困難さに打ち勝てない。
自分の人生これでよかったのかという迷いも生じる。

人は仕事にのめり込む事で、
必要な力が身に付くものである。


②現場が大好きか

現場は、常に自社の最先端である。
世の中の微妙な変化は現場に現れる。

時流を予見するためにも、
現場感覚を失ってはならない。


③無限責任を負う覚悟があるか

オーナー社長は、創業以来、
銀行借入に対し億単位の個人保証をし、
常にリスクにさらされながら経営をしてきている。

個人保証をとらない時代に変わったと言っても、
会社の資金不足に対し、
個人財産を投入する覚悟が必要なのは変わらない。


④自社株を取得する覚悟があるか

経営権を引き継ぐと共に、
株も引き継がなければ会社の安定は図れない。

財務状況が良い会社ほど多額な資金が必要となるが、
株を引き継ぐための資金・税金を支払う覚悟が必要である。


⑤計数を学ぶ覚悟があるか

創業社長は、ゼロから会社を創り上げ、
お金の苦労もしている場合が多いため、
経営(お金)の怖さを肌感覚で分かっているものである。

しかし、
同じ経験ができない後継者は、
数字で会社の状況を中長期的に理解しなければ、
いつの間にか会社が倒産する方向に向かっていることに
気づかないという危険な状況になる。

引用「社長の幸せな辞め方―事業承継3つの選択」アタックスグループ (著)

2018年9月24日月曜日

社長を幸せに辞めるのは、会社を再建させるよりも難しい

多くの社長が、社長の座を退く際に願うのは・・・・
・自分が創り上げてきた会社がさらに成長する。
・子が後継者として相応しい人財に育つ。
・身内に後継者がいない場合でも安心できる。
・親族間、株主間の争いが起こらない。
・退任後、生活にも生きがいにも困らない。
というものである。

この願いを実現させるための選択肢は、以下の3つである。
①後継者への事業の承継
②MBO、M&Aなどのキャッシュアウト
③幸せな廃業

そして、事業承継を考える際、多くの場合に最初に話に出るのが、
「後継者をどうするか?」です。

しかし、これより先に考えなければならないことがある。

社長を辞めることを意識した時、最初に考えなければならないのは、
会社が今後も「存続可能できるか?」である。

また、上手に事業承継できなかった会社には、いくつかの共通点がある。
・後継者がもう少し育ってから、会社の状況が整ってから、自分はまだまだ元気である、と言っている間にタイミングを逸してしまった。
・後継者の選定、育成がうまくいかなかった。
・後継者がいない場合の選択肢を知らなかった。
・後継者に経営権と財産権を承継するための環境整備がうまくいかなかった。
・社長を辞めた後の役割と報酬・退職金がイマイチすっきりしない。
・退職金以外のサムマネーを得る方法について詳しく知らなかった。
・MBO、M&Aなどの選択肢があることを知らなかった。
・幸せな廃業があることを知らなかった。

最後に、存続可能性を判断する3つの質問です。
①将来性のある事業か?
②後継者としての器のある人財がいるか?
③会社は後継できる状態になっているか?

この質問に答えることが、事業承継のスタートである。

引用「社長の幸せな辞め方―事業承継3つの選択」アタックスグループ (著)