2017年9月23日土曜日

税務調査②

『抜き打ち調査』

税務署にとっての年度初めである
7月から年内いっぱいは、
税務調査の件数も多く、厳格さも増します。

税務署は、調査に入るに当たって、
原則として調査対象企業に対し事前通知が必要であり、
事前に我々税理士が窓口となって
調査の日程調整等を行うことになります。

しかし、
先日、我々の大切なお客様企業に対し、
税務署からの事前の通知なく、
都内の飲食店舗および社長宅へ同時に
抜き打ちで調査官が来るという事態がありました。


朝9時、調査官が社長宅にやってきました。

予備知識のあった経営者が税務調査を拒否したところ、

調査官が
「近所の目もあるので中に入れてください」
と粘ったようです。

同時刻、店舗にも調査官が入り、店員に対し、
「あなたは○○さんですね」
と、名指しで呼ばれ、従業員が怯えていたところ、
社長が即座に店舗に連絡し、丁重にお断りし帰ってもらいました。

経営者には前々から、
抜き打ちの税務調査を拒否できる旨を伝えていたため、
適切な対応を取っていただきました。

税理士が立ち会わない税務調査は不利になりがちです。

税務署にせよ労基署にせよ抜き打ち調査に対しては、
まず、調査の延期を依頼することです。

そのうえで、専門家に指示を仰ぎ適切に対処すれば、
余計な傷は負わずに済むものです。

この税務署には、抜き打ち調査をする合理的理由があったのか、
納得のいく説明をしてもらおうと思います。


2017年6月10日土曜日

税務調査

ある日突然やってくる招かざる客

経営者の皆様は、

会社の税務調査は人生のうちに何度か経験することもあるかと思いますが、
個人の相続税の税務調査は、ほとんどの人が初めて経験することになります。

相続税は、生前からの節税対策と税務調査の入る余地のない完璧な申告書作成、

そして、税務調査が入った場合の対応が大切となります。

調査官は、事前に怪しい点をピックアップし税務調査に入ります。


その権限によって、

家族の過去5年から10年程度の預金の動きなどを把握して当たりをつけています。

税務調査当日は、

9時ないし10時に調査官2名以上でご自宅にやってきます。

税務調査の前半はヒアリング、後半は現物確認となります。


調査官は、前半の他愛無い雑談のなかから、

回答に矛盾がないか、家族のお金の出処や使い道を把握しながら、
申告漏れとなっている可能性のある財産の仮説を立てます。

全く油断できない時間です。


最も問題となりやすいのが「名義預金」です。


子や孫の名義で貯蓄した預金が相続財産とみなされ相続税の対象となります。


「自分たちのために親が残してくれたのに・・・」

は、残念ながら通用しません。

これも事前の対策次第で回避することができます。


親が子を想う強さを知れば知るほど、

正しい財産の残し方を選択して頂きたいと思いますし、
正しい準備をすれば税務調査も恐れるに足らないものです。


2017年6月9日金曜日

後継問題

継がせたい親心と継ぐという覚悟

全国社長の平均年齢は年々上昇し、

2016年は61歳を超えた。

事業の旧態依然化、

後継者不足の深刻化により、

廃業・解散する企業は、

過去最高の3万社に迫る。

M&Aが盛況なのも理解できる。



会社は、
続ける・やめる・売る
の三つしか選択肢がない。

会社を永続させるためには、
事業承継を成功させなければならない。

30年続く企業が5%を切ることからも分かるように、
後継者が居てもタスキをつなぐことは簡単ではない。

二代目というのは、
ある程度基盤があるところにポッと入り社長となる。

名刺上は社長ではあるが
経営者になるまでには時間がかかる。

お付き合いのある二代目社長は、
先代の考えを踏襲し、先代を否定するようなことはやらない。

自分の出番になれば色々と変えたくなるものだが、
自分が創り上げてきた理念・企業文化でもなければ、
自分が採用し育ててきた社員でもないと心得て、
社長自らが溶け込む時間としているようだ。

先日、松下政経塾の研修局長に松下幸之助氏の話を教えて頂いた。

松下幸之助氏は晩年、こう話したという。


「ようやく八十歳を超えて分かったが、経営に必要なことは二つだよ。」


「一つは経営理念、旗を立てること。」


「もう一つは人を育てること。これだけだよ。」


これは時代を超えても変わらない真理なのだと思う。


2017年1月5日木曜日

唯一生き延びた人類種

人類の未来は何処に向かうのか

「六百万年前、一頭の類人猿のメスに、二頭の娘がいた。」

「一頭はチンパンジーの祖先となり、もう一頭は私たちの祖先となった。」

最近読んだ「サピエンス全史(河出書房新社)」の中でこの一文に出会い、
中学生時代に歴史教科書を見たときの衝撃を思い出しました。

十万年前の地球上には、
少なくとも六つの異なるヒトの種が暮らしていた。

そして、
四十五億年前の地球の誕生から考えれば僅か七万年前、
アフリカの片隅で生きていくのが精一杯の取るに足らない動物だった
ホモ・サピエンスが、
食物連鎖の頂点に立ち、
文明を築くまでに至ったのはなぜか。

まず、
「火」と「言語」を手にしていなかったら、
今のようにはなっていなかったであろう。

さらに、
ヒトは経済性を貨幣に求めました。

貨幣自体には本来価値は無いが、
相互信頼のルールとして
心理的価値を普遍的かつ効率的に備えているもの。
それが貨幣です。

いまや全世界のお金の総量が1600兆ドルとなり、
その75%の1200兆ドルがデリバティブ商品であり、
流通する通貨紙幣はたった0.3%の5兆ドルです。

トが創り出した現実には存在しないマネーがどこまで膨らみ、
どうやって是正されるかを見守りたいと思います。